それは全紙サイズでモノクロームの木製パネル写真(457ミリ×560ミリ)
でした。
1989年ひまわり号姫路の旅での出発セレモニーで、倉敷市消防音楽隊が
演奏している様子が撮られています。
当時は倉敷駅1番ホーム上での出発セレモニーでした。
押入れの片付けをしていました。
今シーズンの役割を終えた、ファンヒーターを収納するスペースを確保
するためです。
そう、自宅でのお話です。
木製パネル写真の裏側には、「パネル代、送料領収済み」とメモが貼り付け
てあり、送り先の住所と名前、電話番号がありました。
「お金はもらっているのに、届けていない写真パネル」です。
電話番号は○○-○○○○と書いてあります。
1989年(平成2年)の倉敷市の市外局番の次の番号は二桁の時代でした。
申し訳ない気持ちとご本人と繋がる事を念じて、おそるおそる電話を
かけました。
ご自宅はイオン倉敷店の近く、家から15分のところ。
「忘れてはいませんでしたよ」
「お金は払ったのに届かんなと思って、おかしいなと」
「申し訳ありませんでした」と頭を下げて、許しを請う。
パネル写真をお渡しすると、「これが、当時のわたしです」
手前に大きくクラリネットでしょうか、演奏している写真です。
パネルを見る視線が僕の顔に移った時、少し誇らしげに
そして懐かしむような表情と口元が緩んだ顔を向けられたので、
許してもらえたのかなと
勝手に思い込みました。
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